晴れた日はスカパンクを聞き
雨の日はスラッシュメタルを聞く。
そんなくそジジイ:ジョン爺は
狭い部屋で一人暮らし。
収入は年金暮らし
プラスアルファ、小遣い稼ぎにコンビニバイト週数回
最近は学生どもがテスト期間で大忙し
シフト倍増論。
そんなこんなで
たまにはバイトに行きたくない日もある
行ってしまえばどうってことないのだが
いくまでが大変
重い、少し曲がった、腰を上げるのが大変
それ以上に気持ちの問題で大変
しかしその気持ちの問題を解消する最終兵器をジョン爺は持っている
歯ブラシだ。
ジョン爺の家には一人暮らしのクセに2本歯ブラシが在る。
予備とか仕上げ用とかそんなチャチなものでは断じてないのだ。
いつも使っている歯ブラシとは別に、
「鬱メンタル解消用歯ブラシ」がある。
もう使いすぎてストリートファイターのガイルの頭のようになってしまっている。
そんなボロ歯ブラシを使うとジョン爺は鬱メンタルから立ち直ることが出来るのだ。
どういったカラクリかというと
実はその歯ブラシは数十年前、ジョン爺が大好きだった女の子が使っていたもの。
あの子が数十年前に置き忘れていった歯ブラシ!
その歯ブラシで歯磨きをするのだ!
その歯ブラシを
そう!
小学校時代に大好きなあの子の縦笛(リコーダー)をこっそり舐め回したように!
舐め回したときの気持ちで!
あの子の歯ブラシで歯を磨く
入念に、入念に、実に入念に磨く
舐めるように、舐めながら、磨く!
しかも歯磨き粉は子供用の甘いやつ!
あの甘い日々を思い出すように
そして歯磨き粉と歯垢と唾液の混合液を
流しに吐き出すことなく飲み込む
体に悪いことは分かっている
しかしあえて飲み込む
そうすることで青臭い青春の味を味わうことが出来るのだ!
そうして今日もジョン爺はバイトへ出かける
快晴である。
歯を磨きすぎてCDコンポを消し忘れたジョン爺の家からスカパンクが聞こえてきた
KEMURIのato-ichinen
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